鑑賞のススメ 梵寿綱(ぼんじゅこう)建築

相変わらず故障を抱えたこの身体。できることは、歩くことくらい…。クライミングも一カ月近くやってないなぁ。しかも、食べ企画が続いたおかげで筋肉down、無駄肉upてな感じ。とりあえず、この身体で出来ること、と言う事で前から気になっていた梵寿綱(ぼんじゅこう)の1人建築巡りすることに。


ちなみに、梵寿綱とは…wikipediaを引用すると。
本名「田中俊郎」。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、シカゴ美術館附属美術大学で学ぶ。1974年6月より梵寿綱を名乗り「梵寿綱と仲間たち」を結成。以来、近代工業製品化している建築技術、様式に疑問を投げかける。「日本のガウディ」の異名を持つ。


◆◆◆ ドラード和世陀 ◆◆◆

先ずは、梵寿綱の存在を知った早稲田の建物。遠目にはちょっと変わった建物だなぁと。



が、近付いてみると、その建物は!



外壁の様子がまさに「日本のガウディ」! 装飾と言うか美術品ですね。いや、壁に埋もれた石仮面を食らう者たちかもしれない。



コーナーの窓枠。形良ければ装飾も良し。



ここは日本なんですかねって。なんだか外国にでも居る気分。



外壁はタイルとかそんな単純なモノではなく、手がかかってますよ…。コスト度外視で、やはり、芸術の域ですね。通常の建築費からどのくらい割高なんだろうと気になったりして。



ほぇ~、と外壁には全くもって必要じゃない装飾があちらこちらに。さすがに、先日訪れたロボットレストラン程の過剰は装飾はないけれど、それでもあちこちの装飾が凄い!



ちょいと離れて角度を変えた全景をパチリ。ベランダの手すりもごちゃごちゃしてますね…。鉄筋を加工したかのようなオブジェも、ひょっこり置いてありますわ。



入口チェ~ック! 足元にひょうきんなモザイク画。ついでに立体的なオブジェも。こりゃ、まさに「日本のガウディ」!JoJoワールド的なものも感じちゃいました(スタンド使いが住んでそう)。



こ、この辺のデザインも凄い…。コストを意識する施工主だったら、「どこまでお金かけるの!?」と。まぁ、そんな人は梵寿綱に設計を依頼しないでしょうけど。しかし、施工業者は普段と勝手が違うから大変だな…。



門も特注品ですよ。アートですよ。



エレベーターの所まで行くと、どっひゃ~!な手のオブジェあり。



郵便受けは、十二支をあしらってました。投入口の形状が色々で配達員も入れ込むの大変そう。



同じところが2つとないですわ。施工業者も、「ここはあそこの場所と同じだな」となることなく大変そう…。



テナントも良い感じで収まってました。



こちらは、関係ないっすね…。



気持ち良い青空の元でドラード和世陀が良い感じで佇んでました。



場所移動は都電荒川線にて(久々の乗車だな)。



乗ってみよ~。



早稲田は都電荒川線の始発にして、列車に1番乗り!



降りる場所は都電雑司ヶ谷。



◆◆◆ Royal Vessel ◆◆◆

先ずはこちらの建物。う~ん、看板多くして、何だか残念。建物のデザイン自体もちょっと控え気味かな(外壁の模様は目立つものだけれど)。1Fのごちゃごちゃ感がなんだか残念なところ(余計な突っ込みだけど)。



中に入ってみたけれど、ちょっと変わってるなぁ~位のもの。でも、見上げる所に 無駄な 装飾も。なんか、童話の『北風と太陽』を思い出しましたよ。



郵便受けも、それ程突拍子ないものでもなく。



足元には、これまたオブジェ。1Fに飲食店が入っていると、荷物搬入で台車がガシッとぶつけたりしないかな?



◆◆◆ 斐禮祈(ひらき) ◆◆◆

「Royal Vessel」の左後ろ方面にもすぐさま、梵寿綱建築が。この丸い窓が蜘蛛の目を想起させるよ。蛇に睨まれた蛙じゃないけど、なんだか妙な緊張感を覚えますわ。



どれどれ、てな感じで入り口を拝見。



この辺は、ちょっとお洒落な感じ位のもの。



郵便受けも普通っすね。



けど中に入ってその色使い、装飾にビックリ!パッと見の印象が、ツタンカーメンの墳墓。あそこもカラフルな色使いだったなぁ。



奇妙な椅子がありますわ。座るのためらってしまうよ。



壁の色使いも凄ければ、装飾も凄い。JoJoスタンド使い、リゾット・ネエロの「メタリカ」を思い出しました。天井にぶら下がるモノは照明でもなく、???でしたよ。



照明のスタンドが腕ですわ。逞しいですわ。



本当、色使いが激しいっすね。詫び寂の対局っす。



エレベーターの扉だって、きっちりと装飾ですよ。



こちらの面はそれほどでもなく(望遠で良く見ると、きちんと装飾されているけれど)。



はぁ~、凄えわな。デザイン凄ければ、設計依頼する施工主も凄いわ、と。



場所は西に移って、京王線は代田橋駅。猛烈久々の代田橋(いつ以来かな)。



駅前の商店街もレトロにして古くからの商店。



歩道橋も立派。



◆◆◆ ラ・ポルタ和泉 ◆◆◆

やって来たのが住宅街にたたずむ異様な建築物。建物の上部には馬のオブジェ!住宅街にて広くない通りと電柱&電線が邪魔して上手く撮影できん!ってか、『3×3 EYES』に出てきた石棺から復活したキャラクターを…。



屋上の馬オブジェに正面入り口の上に鎮座する女神(?)オブジェも凄いわっ!



入口も渋谷・原宿辺りにある飲食店なのかと。



ほぇ~、と入口よりオブジェを見上げる。



入口は一見さんお断りな感じにして、小学年だったら、入るの躊躇ってしまうくらい。



入口入っての吹き抜けは爽やか。



階段の装飾も面白い! こちらも郵便受けも普通だぞと。凝った郵便受けに何か問題あったのかな?



相変わらず特注の門…。



住居通路は普通であった。装飾は入り口辺りだけ。



こちら入り口から外を望む。ちょうど入り口オブジェの下より。



壁なんかも単純なタイルでなく凹凸もあったりして。本当、手が込んでいる。



何処にも既製品は見当たらない…。



裏側に回ってみたら、以外にも普通だった。



◆◆◆ 舞都和亜(まいんどわあ) ◆◆◆

さきほどの「ラ・ポルタ和泉」から北へ100mちょいと言ったところだろうか(同じ道だから分かりやすい)。これまた派手な建物が閑静な住宅街にどでーんと構えている。



ゴミ捨て場も気を抜かないデザインっぷり!



鉢もデザインの一部っすね。



最初の門は、一見それ程でもないけど、一歩踏み入れると梵寿綱ワールド炸裂!



中庭の様子が、まるでヨーロッパの宿にでも赴いた気分にさせられる。これ、クジラの尻尾らしいっす(でしたか)。



チェックイン手続きしそうになっちまうよ。



床にも装飾あって、凹凸もあり。これこそ、台車で移動する際に邪魔になりますわな…。



中庭に注ぐ光の感じが良し。



中庭で見上げると、人の顔。



単純な平面は見当たらず…。



天井に廊下の手すりも、抜かりなしっ!



足元には、トカゲなのか???



う~ん、本当抜かりないデザインですよっ。あの辺の施行も複雑でお金かかりそうだなぁ~と美術に縁遠い庶民感覚。



あ~、良い感じっす。と見上げるとこれまた複雑な形状。何だか、名のある左官の作品だとか。



こんな気持ち良い門を抜けて、毎朝出勤に出かけたいもの。


   
郵便受けは普通かな。でも、見上げると不思議なオブジェ。



エレベーター箇所にはファティマの手? 何かのシックスセンス目覚めたら、こんな所に住みたい。



吹き抜けも良い感じ。



一般住宅からは想像つかない装飾があちこち。



換気口だって手を抜きませぬ。



反対側に回ってみた。



今までのモノと比較すると、大人しめかなと(それでもきっちり装飾が凄い)。



こちらの玄関の装飾が良いなと。ベルセルクにでも出てきそうなモンスターの面構えのごとく。



内部をちょろっと拝見。スペース狭くて、上手く撮影できず。



いやぁ~、良いもの見ることできたよとテクテク。この辺は古い町並みだなと思ったら、井戸もあったよ。実はこの後、笹塚~代々木八幡~初台と、あそこやここのパン屋へと寄り道しながら散歩した。



天気良く、建築巡り日和であった。



◆◆◆ ハプニングタワー ◆◆◆

ガッツリ歩いて疲れながらやって来たのは曙橋にあるハプニングタワー。



これまたカラフルな建物ですね…。



建物四隅が奇妙な装飾に覆われてますわ。こちらのタイルはどんな粒度で設計されていたのかなぁと。まさかに1片ごとに設計されている訳は…ないよね。



生活に溶け込んでいる建物っていう感じ。



入口はきっちり装飾。こちらもどこかの国で宿にやって来た気分にさせてくれるわ。



中東辺りの感じっすかね。



余り人気もなく、テナント空きがあるような感じだった。あんまりメンテナンスもされて無いようで、うら寂しい感じ。メンテナンスされてないっぷりも、中東辺りの建物って感じだな。


と言う訳で、都内にある梵寿綱の建築をいくつか巡ってみた。お値段かからずに電車賃のみで巡れるところが良い。あまり、しつこく深入りor撮影していると不審者扱いされてしまうかもなので、注意必要だけれども…。とりあえず、スペインに行かずして、ガウディ建築を巡ったかのような不思議な感じ。都内には、他にも梵寿綱建築あって、巡り切れていないので、機会あったら行ってみよう。

*2021.05..08 加筆
どうやら梵寿綱建築ってば、それ程高コスト建築ではないらしい。デザイン料やら材料費やらで超高額建築になるのかなと思っていたのだけれど…。建築の際に、ご本人はコストと機能の管理に徹底し、装飾は協同するアーティストに依頼しているんだとか。む~ん、そう言うことでしたか。




生命の讃歌 建築家梵寿綱+羽深隆雄

←お、お高いですね…。