旅程
2日目:セルフォス→ヴィク→ホフン

 



さて、出発の朝からどんより空模様。土砂降りになったかと思ったら、すぐに止んで虹が現れた。アイスランドでは虹を何度も目にするのであった。アイスランドのことわざに「今の天気がいやならば、15分待ちなさい」というのがあるらしい。いや、本当その通りだ。

セリャランドスフォス(撮影モード失敗)セリャランドスフォス裏側快適に1号をとばすことしばし、最初の景勝地マークを発見して、1号を左に曲がる。そこから数百m進むと、平原の中にぽつんと現れるセリャランドスフォスがあった。

この滝は歩いて裏側まで行くことができる(ちょっぴり濡れてしまうが)。高さは40mあり、その水量と平野の中にいきなり現れるその姿は結構な迫力である。


レイニスヒャットルレイニスヒャットル滝にてジャブの応酬を受けつつ1号をさらに先に進むと、今度は右折にて景勝ポイント発見。1号から道を外れて、オフロードを軽快にとばしていく。

しばらくすると、海中より突き出す3本の岩山が見えてきた、レイニスヒャットルだ。もやがたちこめる中、両手に海を見ながら細い1本道で3本の岩山を目指す、幻想的な景色だ。魔女でも住んでいそうな雰囲気である。

それぞれの岩はスケッスドランガル、ランドゥランガル、ランクハンラルと名前があり、高さは最大のもので海抜66mもあるそうな。岩山も凄いけど、波の迫力+川から流れ出る水量が凄い!

まるでドラゴンの鱗のようにゴツゴツした岩の橋。怖くて渡れなかった・・・。


3本の岩山と反対の海岸へと繰り出す。いきなりのスコールがやってきたが5分、10分もするとからりと晴れた。この天気の変わり方は助かる、持っていった傘も使うことが無かった。

海より突き出す岩山と波の大きさが自然の荒々しさを醸し出している。人の大きさと見比べると(写真↓)、引いては打ち寄せる波のダイナミックさが分かると思う。まるで台風が近づいているのかと思うほどであった。ついでに、海岸は砕けた溶岩でできているために、黒い石で形成されている。漆黒の海岸がまた魔女の住処を連想させる。

レイニスヒャットルには、朝日で岩に変えてしまったトロールという伝説がある。確かに、こんな景色を見てしまったら、伝説の1つや2つ生まれてきそうだ。



レイニスヒャットルを後にしてさらに進むと、道の両側は見渡す限り苔野原!火山の噴火によって火山岩地帯となり、長い年月を経てそこに力強く生命が根付き始める。この大地にもいずれは草花が生えてくるのかな。

アイスランド植物はとても過酷な大地に根付いているため、ちょっとしたことで簡単に死滅してしまうそうだ。なので、決められたルート以外車も人も足を踏み入れないよう、また物なども置かないという配慮が必要だそうな。何も知らずに、ふかふかの苔の上で跳ねて遊んでしまいました・・・。すんまそん。

ちなみに、アイスランドのラキ火山では1783年に大噴火を起こして200年後にようやく苔が地面を覆い始めたそうな。失われた自然の再生にはとても時間がかかるんだな。

再び雲行き怪しく、今し方土砂降りの雨が止んだところ。雨のせいなのか、普段からなのか卓状火山(テーブルマウンテン)から水が激しく落ちて滝となっている。滝はアイスランドではあちこち見ることができるが、テーブルマウンテンから滝が落ちる様はオーストラリアで見損なったウルルから流れ落ちる滝を連想させた。当然その先に連想するのは、血を流すナウシカのオームである。

卓状火山は氷河の中で噴火が起こることによって形成されるそうだ。卓状火山のできる仕組みから、周りにあるテーブルマウンテンの頂をつなげた高さが、かつての氷河の高さになるという。詳しい形成の過程については、下記リンクにて紹介があった。

再び走ること暫し、遙か向こうに氷河が見えてきた。向こうに氷河が見えてから、いったいどの位この直線を進んでいるのだろう。いちいち、アイスランドの雄大な自然に驚かされる。山頂にたたずむ氷河は、重厚で圧倒的な存在感がある。山頂に降り積もった日本の雪山とはひと味もふた味も違う。



ヴァトナヨークトルアイスランド南東部にあるヴァトナヨークトルはヨーロッパ最大の氷河で、その面積はヨーロッパ大陸の全氷河を全部集めたものより広く、全面積は8,400平方キロメートル(東京都,神奈川県そして埼玉県を併せた面積に匹敵)。氷河の厚さは1,000mにも達する。

ヨークルサロンにてボートツアー(2000 IKR)に参加できる。水陸両用車で流氷漂うフィヨルドを突き進むツアーだ。連れが『これに乗ろうぜ』なんて言いだした。『ほひ?』そんなことを言う輩ではないのだが・・・!?まぁ良い、乗ってみようじゃないの水陸両用車に!

そんなこんなでバリバリバリと轟音たてて水陸両用車は走り出した。ザッブーンと海に入って、流氷を遠巻きに周遊しながら現地のアルバイト君らしき若者が氷河がいずれ流氷となって海に漂うまでの歴史を解説してくれる。ついでに、氷河を拾ってみんなに食べてみてと配ってくれた。口に入れてみるとシャリシャリとすぐに溶けてしまった。

丘の上よりフィヨルドを眺めると真っ青な海が広がっている。海は青いし、アザラシがその辺を普通に泳いでいる。

そこから海岸へと散歩することにした。と、おぉ!流氷が海岸に打ち寄せられているではないか。ぷらりやってきた海岸、流氷と打ち寄せる波とでなかなかに趣ある景色だ。







参考資料
アイスランド・レイキャネス半島 レンタカーで旅する海底山脈』  管理者:地球驚き大自然(かな) 卓状火山について調べたらあった