エジプトへの空路途中 今回の旅行は一人エジプト旅行となってしまった、初めての一人旅だ。最初は友人と別の国に行こうとしていたのだが、諸事情により取りやめになってしまった。そこで、お互いに第2候補の国を提示しあったのだけれど、全く意見が合わなかった。結局「成田まで一緒に行くか」なんてことを言いつつ、別々に旅行することとなった。

で、なぜエジプトなのかというと「やっぱり、死ぬ前に1度は間近でピラミッドを見るべきだよなぁ」と思っていたからだ(正確には、ハトシェプスト葬祭殿を間近で見てみたかった)。それを思い出したとたん、なんだか「ぜひとも、今年の夏に行かなくては!」という気持ちになってきた。だから、たとえ友人が「遺跡には興味ない、なんだか飽きそうだ」と言われても行くべきだったのである。 幸いにもエジプトは物価が安いし、一人でもそんなにお金はかからないだろうという考えが、さらにエジプト行きの考えを増長させた。そんなわけでエジプト訪問なのであった。

 
 

アラビア語
結局最後までアラビア語を読むことはできなかった。何度かバス停で、行き先を見てみようと頑張ってみたが、気が付くと左から文字を読んでいるし・・・。 何とか数字くらいは読めるようになったけど、文字の方はさっぱりである。ホテルやレストランでは英語が通じるし、その辺を歩いていても結構英語を話せる人がいるので、そんなには困ることはなかった。

交通
基本的に移動で困ることはないと思う。その辺を歩いているだけで、タクシーが寄ってきて、「乗るかい?」なんて言われるのだ。ルクソール到着初日も、迷子になってテクテク歩いていると数台のタクシーに声を掛けられた。タクシーの場合1km辺り1£Eが相場らしい。

慣れてきたらバスの利用がおすすめ。行き先はアラビア語と番号で書いてあるので、数字さえ読めればOK。 このバスの乗り降りを見ているとなかなか面白い。バスは小さなバス停とかだと止まることなく徐行しているのである。ちょっと小太りのおじさんとかが必死になってバスに飛び乗る姿は滑稽だ。なんて見ていたら、自分も同じように走ったりして・・・。


 
エジプト人
その辺を歩いているだけで、話しかけてくるエジプト人。挨拶だけの人もいれば、両手を会わせてお辞儀をしてくる人もいる。でも、一番多かったのが、英語で「日本人か?」と聞いてくる人。 このタイプの人に「日本から来た」とでも言おうものなら、「おぉそうか、俺の親戚が日本人と結婚した」とか「日本人の友人をたくさん知っているよ」とか言ってくるのだ。そして最後に、俺のオフィスを見ていかないかとなるのである。

これに付いていくと、パピルスや香水といったお土産屋さんに入ることになり、色々と商品の説明が始まるのである。 このとき、多くのエジプト人が「俺を信じてくれ」なんてことを言うのだが、「こいつはどう考えても信じられん」ということが多かった・・・。


物価
物価は安いので、宿やレストランでそんなにお金を使うことはないのだが、遺跡の入場料が高い!だいたい20~30£Eの値段で、場所によってはカメラ代として5~10£Eほど別料金がかかる。 ルクソール、王妃の谷にあるネフェルタリの墓は、100£Eもした。ここはさらに、入場時間の制限があって、10分しか墓の中に入っていられない。とりあえず行ってみたけれど、この値段は痛かった・・・(保存状態は大変良かった)。 国際学生証を持っていれば、ほとんどの場所で半額となるので、できるだけ用意して持っていった方がよい。

 
お腹
生水は飲まないようにして、ペットボトルを購入していたためかお腹を壊すことはなかった。1度だけ、ルクソールの小汚い食堂でサラダを食べているとき、「これは食っちゃだめだ!?」と本能的に感じたことがあったけど。 料理はスパイスが効いていて美味しかった。もちろん果物も美味しい。以外だったのが、サトウキビのジュース。あっさりとした甘みで美味しかった。でも、お店によっては青臭さが残っていて美味しくない。きつく絞りすぎているのかな?

石鹸
今回日本から石鹸を持っていったが、やっぱり大正解だった。宿にも石鹸があったけれども、どうも外国の石鹸というのは泡立ちが良くない。やっぱり日本製の石鹸が一番!

 
トイレ
エジプトのトイレは紙を使用しないので、気になる人は紙を持っていった方がよいとガイドブックに書いてあったので、トイレットペーパーを持参することにした。だけど、自分の行ったところは大きな町で観光客も多かったので、トイレに行って「紙がない!」なんて状況にはならなかった。でも、カイロで泊まった宿は共同トイレだったためかトイレットペーパーがなかった。良かった持参しておいて・・・。

空気・気温
空気は非常に汚かった。砂が舞っているせいか、埃っぽいし、カイロ市内のように交通量の多いところでは、排気ガスと埃のダブルパンチで鼻毛ボーボーである。常にバスの後ろを歩いているという感じかな? 9月の気温は、非常に暑かった。9月なので少しは涼しいかなと思っていたが、そんなことはなかった。ただ、湿気がないので不快指数はかなり低いと思う。Tシャツだけで十分だと思うが、長距離バスや列車だとクーラーが、ガンガンに効いているので1枚ぐらい上に羽織るものがあった方が良さそう。

 
治安
治安はとても良いと思う。持ち物をひったくられそうになったり、身に危険を感じたことはなかった。イスラム教で盗みや暴力を禁じているというし(他の宗教でも同じことだと思うが)。せいぜいぼったくられないように注意かな。 一番気を付けるのは、イスラム原理主義者だと思うが、これについてはどうしようもならないかな・・・。

バクシーシ
ちょっとしたことでバクシーシ(チップのようなもの)をねだってくるエジプト人。何だか、親切をした結果バクシーシを貰うのではなく、バクシーシを貰うために親切なことをやっているように見える。だんだんと近づいてくるエジプト人が全て胡散臭く、うざったく感じられるようになる。


 
 
タフリール西のバス停 エジプト到着最初の日、空港へ降り立ったときかなりの不安感があったけれども、1週間かなり充実した旅行を送ることができた。たくさんの親切なエジプト人に助けられ、たくさんのエジプト人にぼられたりしたけどイスラムという普段触れることのない文化、色々な驚きや発見があって非常に面白かった。 夜は話す相手もいなく暇になるかと思ったが、連日の早朝起床と普段とは比較にならない歩行量により、宿に着くなりバタンキューで眠るという日々が続いた。おかげで、一人寂しくなることもなく毎夜過ごすことができた。そういえば、日本から持っていった本は読まなかったなぁ・・・。

今回の一人旅を通して感じたのは、一人旅ってなんだか山登りのようだということです(山登りはしないけれど)。 旅を終えた後の充実感は登頂したときの充実感と似ていると思う。きっと、自ら立てる企画とその実行というプロセスを経て得られる成功や失敗の経験が山登りと一緒なのかな。初めての一人旅立ったけど、人生一度は一人旅をするものかな。