鑑賞のススメ DIC川村記念美術館+市原湖畔美術館

本日は千葉のDIC川村記念美術館と市原湖畔美術館をはしごしてしまおうというアートツアーに参加してみた。



集合場所の東京駅へと。新宿にて中央線に乗って。


東京駅のエスカレーター。相変わらず凄い作りだよな。これだけで朝からプチアトラクション気分。


で、東京駅。いつ来ても、良い雰囲気。


地下を通って丸ビルへと。前を歩いているおっちゃん、追い抜くときに気づいたけど半ケツ出してました…。


バスに乗って、いざ、最初のDIC川村記念美術館へと。


ちなみに、晴男なのに生憎の雨模様…(室内だから、まだ許されるかな)。


色鮮やかなチケットを持って美術館へと。
DIC川村記念美術館では、『絵の住処(すみか)-作品が暮らす11の部屋-』 が来年の1月まで開催されている。


すぐさま現れる池。


こちらのガチョウが人懐っこいとかで、ガーガーと近寄ってきた。


雨なのが本当に残念!こちらがDIC川村記念美術館。佇まいが、ちょっぴりお城風、いやサイロっぽくもあるな。


こちらに置いてあるのが、まるでスクラップかの様なフランク・ステラ作品『リュネヴィル』。
日本の製鉄所と一緒に作りこんだという話もあるけれど、雨のためゆっくり鑑賞ならず。


あちらの赤い舌?かのようなものは、清水九兵衛氏の作品『朱甲面』。


さて、作品の方は…。ちなみに、DIC川村記念美術館は、所蔵する作品に合わせて後から建物を設計したという美術館。
従って、1つ1つの作品(作品群)に最適な部屋が用意されているという事になる(ほぇ~、凄いなと)。
それだけになんか、それぞれの展示室には部屋の面積、天井高さ、床仕上げ、天井仕上げが記載されてる。

101展示室:ヨーロッパ近代絵画の部屋
「印象派の時代、絵は居間に飾られて見られていた」という解説に、確かにと思った。制作していた画家は、後々に美術館に展示されるなんてことを考えていたのかな?と思ってしまったよ。いくつかの作品が展示されているけれど、ピカソの『肘掛椅子に座る女』は、やはり???な感じ。芸術って難しいっすね。ちなみに、シャガールの絵は、素人の自分でも、これはシャガールの絵だなと分かる色使いとタッチが特徴的。これって、凄いことだなと感心してしまったよ。
 
102展示室:レンブラント・ファン・レインの部屋
一番小さな展示室。レンブラント・ファン・レインが描いた肖像画が1点だけ展示されている、この作品のためだけの部屋。壁のオレンジと絵画、そして部屋の大きさが見事にマッチしていて、絵それ自身と部屋の雰囲気がとても印象的だった。都心の美術展なんかだと混雑した中で鑑賞せざるを得ないけど、ここでは専用室にて一人贅沢にゆっくりと鑑賞することもできるのが嬉しい。
 
103展示室:彫刻の部屋
コレクション企画のスペースとして設計されたとのこと。5カ所の小窓は空間の連続性に変化をもたらし、企画に応じて採光の量を調節できるという。展示の1つ、コンスタンティン・ブランクーシの『眠れるミューズ II』が印象的だった。この展示室の各作品は入り口から入って、後ろ向きに配置されている。その作品の形状、置き方の効果によって、思わず興味惹かれて、作品の表に回り込んでのぞき見したくなってしまう。
 
110展示室:日本画の部屋
西洋画を見てきたので、日本画でビシッとモードの切り替え。一番印象的なのが橋本関雪の『木蘭』。題材が『木蘭詩』という事で中国のモノを題材に扱っているところが他の作品と雰囲気を異にしている。葉が舞い落ちた冬枯れの状態で色彩に乏しいけれど、女性の服の青と兜の赤が際立っていた。後は女性の表情と、従者(?)の情景から想像する物語といったところでしょうか(詩を知っていると、その辺が分かるのかな?)。
 
104展示室:前衛美術の部屋
マレーヴィッチ、カンディンスキー、エルンスト等の作品を展示。面白かったエピソードは、マックス・エルンストが居候をしているときに、支払うお金がないという事から、居候の家の中をあちこち絵を描いてあげたという。しかし、家の持ち主が変わって新しい家主が来た時に、数々の作品を気持ち悪いと言って取り外したり、上からペイントしてしまったそうだ。
マン・レイの『赤いアイロン』とかは、単なる道具にしか見えず、どこが作品なのか自分の感性では理解することができなかった…。
 
105展示室:ジョゼフ・コーネルの部屋
宝箱と言うか、夏休みの自由研究と言うか、そんなコーネルの作品を展示している部屋。展示室は彼の作品の1つであるオルゴールの音が、小さな音色で流れている。音色は作品劣化を避けるために、録音したものを流しているそうだ。この辺になると、どこから芸術として認められて高額取引になるのか、???である。自分(さすがになので)、もしくは美術大の学生が作る作品とどこが違うんだろうなぁ???違いが分かる人には、何か決定的な違いが認識できるのかな?
 
106展示室:マーク・ロスコの部屋
変形七角形のマーク・ロスコの作品専用展示室。「自分の作品だけで一室を満たす」という高慢な(?)作者の意向に沿って、あつらえられた部屋となる。正直(パッと見)単調なその絵画の芸術性を自分には理解することができなかった…。それよりも、部屋に設置されている六角形のソファが気になった。特注(?)と思われるそのソファも高額なんだろうなぁと。薄暗くしているその部屋は、城の地下室に入り込んだかのような、そんな感じでした。
 
200展示室:バーネット・ニューマンの部屋、あるいは抽象表現主義の部屋
もともとニューマンの『アンナの光』を展示していた部屋。色々と苦しい財政もあって、作品を手放して空いた部屋に展示されているのは、ジャクソン・ポロック、アド・ラインハート、デイヴィッド・スミスのもの。大きな部屋に空間をぜいたくに使って作品が配置されてました。
 
201展示室:フランク・ステラの部屋
フランク・ステラの初期作品から、各年代の代表作が連なって展示されている。そして、展示室は巨大で、まるで体育館にでも居るかの様。各展示室の入り口には付箋紙でコメントすることができるのだけれど、他の部屋同様、興味深いコメントが沢山あって、思わず笑ってしまったよ。やっぱり、作品から受ける印象は人それぞれだね。
 
202展示室:絵画の部屋
作品展示に限らず、講演会やコンサートなども考慮されて設計された部屋とのこと。絵と言うか、デザインと言うか、落書きと言うのか…。改めて、芸術って難しいっす!てな感じ。とりあえず、気になる芸術家は「トゥオンブリー」と言っておけば、ちょいとツウぶれるとのことで覚えておこう(学校にある黒板で誰かがチョークを引いたようにしか見えなかったけど)。
 
203展示室:企画展の部屋
2008年に増床された部屋で、特定の作品を想定せずに、企画展のために柔軟な展示ができるよう設計されているとのこと。訪問した時は、中央に配置されたパナマレンコの『人力飛行機』が存在感抜群の大きさを放っていました。本気か冗談か、その飛行機はとても飛べるような代物ではなかったです(それだけは分かった)。
 
茶室
元々、社長専用室として利用されていた所を茶室として一般開放したとのこと。茶室から見える景色はなかなかのもので、さすが社長専用室として利用されていただけのことはある。この日は混雑していて、利用できず(残念)。
 





茶室で休憩できなかったので、こちらにて途中休憩~。
DIC川村記念美術館のHPにて太っ腹にも、あの作品、この作品が見られてしまう!
でも、散策路も備えている、広大な敷地にある美術館にて五感で直に触れると、また違う印象を受けることでしょう。



ツアーでいただいたお弁当。失礼ながら、あんまり期待していなかったけど、きちんとしたもの出てきました!




お次は、市原湖畔美術館!


鉄板穴あけスタイルの感じが美術館と言う敷居の高さを取っ払ってポップな良い感じ。


こんな感じの所。


見上げると、壁には何かを意味する文字盤???


シンプルなこちらがチケット売り場。


チケットを買って中に入ると、インパクト大のオブジェ。何だかワクワクしてきましたよ。
昔、『No Man's Land@フランス大使館』で観たマリオの画を思い出したよ(なんでかな)。


階段で2階に行けるけど、そちらは後にして。


先ずは、情報ラウンジ!


ちなみに、こちらの美術館では自由に写真撮影できるのが嬉しい。


こちらは球体クッション。座り心地はイマイチかなと思いきや、適度な柔らかさあってなかなかgoodでした。


入り口から入っていくと。


おもちゃの兵隊さん、巨大版?


「地球文字探検家」とな?


展示は、「デザイン、卓球、文字」がテーマだそうです。
右側の『まず、総理から戦場へ』は、どこかで見たぞ!


こんな感じでイラストものが陳列。


卓球台も!(もちプレイOK!)


ミニ卓球台もあったりして。


展示室3へと。


『文字の部屋』とな。不思議な文字(?)が記載されてます。


一から十までの作品。


「トンパのアサバイブル」ですか。


文字オタク(いるんかな?)には、たまらない場所かな?


おっと、印刷博物館@飯田橋での「活版印刷体験」を思い出しちゃったよ。


直島の地中美術館を思い出しました。


こちらの展示室は…。


クワクボリョウタの『Lost Windows』。文化庁メディア芸術祭やicc@初台で展示の『10番目の感傷(点・線・面)』が懐かしい。


と言う訳で、入口へと。


戻ってきました。


ちなみに、こちらがコインロッカー。


こちらは売店。面白い商品もあったりして。


では、2階も行ってみよ~。


ん?と傘をさしながら進んでみたら、行き止まりでした~。


こちらは座れるのかな?雨降っていて、無理であった。


こちらの美術館は、「晴れたら市原、行こう」なのであるが、こんな天気が残念。


池に目を転じると、作品でしょうか???


一通り見終えて、外に出てみよ~。


お~っと、これは子供が駆け寄って喜びそうなものが置いてあるよ。


1つ1つ違うもので、手が込んでいる。


こちらは、何でしょうかね。


時間も余っているしで、ダム湖にも行ってみよう。


桟橋(?)行ってみたら、もひとつオブジェがありました。


こちらは展望台でなく、揚水機だったんですね。


登ってみることにした。


途中、エイリアンのごとくオブジェをパチリ。


市原湖畔美術館を望む。


ダム湖はこんな感じ。


帰りのバスはじゃんけん大会で商品ゲット!(ゲットできませんでした…)


久々の海ほたる。小雨舞っているし、ぼちぼち寒かった~。


次々とやって来る車のライトが連なっていた。
千葉方面へ向かう車は少なかったな。週末は都心から千葉へ向かう行楽客が多いって事かな。


で、無事に東京駅へと。

なかなかに訪問する機会がない、千葉は奥に位置する(失礼)DIC川村記念美術館と市原湖畔美術館。
今回のアートツアーは、一気に両方を廻ってしまおうという欲張り企画にして、学芸員さんの解説付きときたもんだ。
先日は友人がDIC川村記念美術館へと訪れて、とても良かったと言っていた。こりゃ行くっきゃないっしょ。

と言う訳で、ドキドキながら、単身参加して行ってみたら、引率者のとに~さんの冴えたコメントに学芸員さん解説。
とても興味深く、楽しいツアーでした。そして、当日は、お話ししてくださった参加者の方もありがとうございました。

ところで、ここ何年か意図的に美術館へとちょこちょこ訪れてみた。その心は、一流の作品に数多く触れてみたら、
芸術ってモノが分かって来るのかなと思っていたんだけど、やっぱりな感じで、さっぱりですよ…。