ヱヴァとコラボするに当たり、日本伝統文化の世界、刀の世界は保守的なので「なにやっているんだ?」という方もいるんです。でも、我々若い職人は特にそうですが、日本刀の世界も頭打ちの世界で、日本刀を知っているとか、好きだとかいう人口が減っていってるんですよ。ここで何とかしないといけないという切実な思いがあるんです。 このまま伝統文化を廃らせてはいけないという時にこの話が来ました。職人としてもアニメとコラボしてもいいのかな?という葛藤はありました。 でも、伝統文化自体が文化というものは、人と共にある物なんで、たとえ伝統文化であっても、その時代に即した変化をしていかないと取り残されていく。だったら、サブカルチャーであるアニメ、日本が世界に誇るアニメとコラボしても良いじゃないかという思いがある職人が集まってできた展示会なんです。今は、「何てことするんだ!」と言われていても、数10年、数100年たった時にスタンダードになるのでは?と思いコラボしました。そこだけは覚えておいてくださいね! |
【解説】 エヴァンゲリオンが保持してもその全高より巨大なスケールを人間ベースで再現しました。全長332cm。総重量は22.2kg。複数種の金属を重ねたダマスカス鋼を鍛造し、木目の様な地肌を生み出しています。巨大すぎる本作品の作成にあたっては、橋本氏は工房にも手を加えたという、まさに大作です。 【刀身】 表面に現れているダマスカス紋様のおもしろさをご覧ください。日本刀にも同様に、折り返し練り鍛えられることで生じた、地肌紋様があります。それは、日本刀が持つ生命力の現れです。地肌、という日本刀の深みある美しさを知っていただけたら幸いです。 【金属造形作家】 最も苦労したのは、法律的な部分です。展示に辺り、武器ではなく美術品として製作する必要があったため、当初予定していた素材を断念せねばならなくなり、急きょ材料から調達しなおさねばなりませんでした。最後は三日間徹夜で仕上げました。 |