直島(宮之浦、本村、ベネッセ)


  
進水式の興奮冷めやらぬ間に、宇野港は直島行きフェリー乗り場へと。


  
大きなフェリーにて快適に¥280と20分にて宇野港から直島へと。直島とはベネッセが中心になってアート活動する島だ。最近では周辺の島々にも派生していて犬島や豊島なんかでもアート活動が行われている。訪問した翌月には「瀬戸内国際芸術祭2010」が開催される。夏休み期間に入れば、どっと人が押し寄せることだろう。



こちらはSANAA設計の直島は宮浦港ターミナル。シンプルにして非常に風通しの良い設計だ。



こちらは草間弥生のかぼちゃ。フェリーが着いたばかりで、人も居ることだし、後で見に来るとしよう。



宮浦港を後にして。



やってきたのは「I Love 湯」の隣のLittle Plum。こちらでレンタサイクリングをするのだ。ちなみに、こちらの「I Love 湯」での夜間撮影が直島での目的。夜間になるとイルミネーションがピカピカ、これが銭湯?てな感じになる。



日没が楽しみだ。ちなみに、本日は家プロジェクトでのキンザ予約と地中美術館でのナイトプログラム予約を入れているので、予定はバッチリとマイルストーンで区切られている。ナイトプログラムを追えてダッシュ、21:00迄の「I Love 湯」に来なくては!



先ずは自転車にまたがって宮浦地区の反対に位置する本村エリアへと。この日の夜にガイドブックを眺めていて気づいたけど、キムラではなくホンムラ地区なんだね。印刷した資料が見えにくく、ずっとキムラと思っていたよ・・・。



途中、石井和紘設計の直島小学校を通り過ぎ。ってか、この要塞みたいな小学校はなんなのよ。かなりのお金をつぎ込んでいるね。



無事に本村地区にたどりついて、小腹を満たすためにうどん屋さんへと。チュルチュルチュルとざるうどんを流し込む。写真にあるのが3段変速の頼れるレンタサイクル!


 
お腹を満たした後、お店を出るとよいち座への案内が。こちらは空き缶を使った作品を展示・販売するお店。



こんな細い道を通って。


  
玄関先でお店を展開。空き缶アートが可愛らしい。


 
本村ラウンジ&アーカイブにてチケット購入。家プロジェクト鑑賞チケットは¥1000なり。地中美術館(¥2000)とかもう少しリーズナブルにしてもらえるとベネッセ様様、素晴らしいメセナ活動だと思うんだけどな。実際はどれもこれもがお金をかけて作られ、お金をかけて維持しているのが伺えるんだけどさ。



白い紙が「家プロジェクト」のチケットで薄茶が「きんざ」の要予約チケット。そういえば、こちらも暫く「ぎんざ」と思っていたよ。「きんざ」なんだね。


  
毛糸アート(?)、家の壁に作品が。女の子の作品は、何故だかのだめカンタービレを思い起こさせる。町全体が遊び心に満ちている感じだなぁ。


 
毛糸アートの脇の細い道をズンズン進んでいくと家プロジェクトの1つ、石橋だ。正直この段階では、展開の速さについていくことができず、事前リサーチもないことから「石橋」って何だぁてな感じ。家プロジェクトとは、古民家を改築してアート作品にするというもの。現在6つのアートが展示中だ。なかなか雰囲気あって写真をビシバシ撮りたいところだけど、そこはアート、撮影禁止でなのある。


 
こちらははいしゃ。よく分からないけど、、つぎたしつぎたしの家屋。なんだか味があるけれど。中は自由の女神がドカーンと鎮座する。軽い事前リサーチで存在を認識できた唯一の物件。何故なら、家プロジェクトの家は、どれも同じような佇まいで違いが分からんかったよ!


  
こちらは公園横にある南寺。一定時間ごとに中へと案内される仕組み。


 
これが、これが、真っ暗闇を利用した作品なんだけれど、ここまでの暗闇って久しぶりだ。確か養老天命反転地の時以来だな。


 
こちらは家プロジェクトじゃないけど、白壁に絵が彫られている。本村地区は観光者用の専用駐車場(車・自転車)が用意されているので、そこに自転車を置いて徒歩散策した方が楽しむことができる。な訳で南寺横の公園(無料駐車場じゃないけど)に自転車を置いて、本村地区をテクテク徒歩で散策することにした。


  
南寺そばの八幡神社鳥居を抜けて護王神社へと行くことにした。


 
鳥居の神額が補強されている。その景観にサッカの宮本選手の顔面プロテクターを思い出してしまった。もしくはジャギだな。


 
歩みを進めて八幡神社。


  
燈籠が月と太陽を現している(んだよね)。って、なんだか珍しい燈籠窓だ。社の床下にもお稲荷様が。



更にテクテク、護王神社へと。こちらはアート作品ながら、本物の神社とのこと。


  
敷き詰められた大き目の玉砂利。真っ白な玉砂利が太陽の光を反射して眩しく、なかなか神聖感をかもし出している。



噂のクリスタルみたいな階段だ。む~ん、なんだかマッチしておる。これがお寺だったら違和感あるけど、神社だとなんだかすんなり受け入れられるよ。


  
護王神社のクリスタル階段下にも行くことができる。各アート作品箇所にはスタッフが控えているので、見落とすことはない。こちらでは、ご丁寧に懐中電灯も貸与してくれる。ってか、今気付いたけど基本的に写真撮影が禁止だったけど、ここはいいのかな???


  
地下道を戻ると海がドドーンと。夏の暑い陽気に潮の匂いをかぎながら丘の上の寺社を巡るって言うのは、なんだか少年時代の夏休みというか、懐かしい気持ちを思い起こさせてくれる。


 
こちらは角屋。古民家にデジタルなアートが妙にマッチであった。


 
角屋を出ると、なぜだか丸亀うちわが。


 
角屋より、ちょいと離れた場所にうちわのお店あり。面白い図案のうちわがあったりするのだけれど、これTシャツで欲しいなぁ。



ファンファンなるイベントが行われたらしい。そのときの作品が置いてある。


 
おやじ宿なるお店。窓ガラスが反射してよく見えなかったけど、ちょいと覗いたら猫遊び部屋のような感じ。


 
向かいの家もカエル君アート作品が沢山置かれていた。島の人もベネッセに触発されているよ。



宿+喫茶店らしきもの。


 
きんざの前。予約時間まで、未だ暫く時間がある。


 
なので、小腹も減ったし玄米心食なるあいすなおというお店にて、そーめんを食す(ここ、お勧め!)。そーめんに豆腐とヘルシーまっしぐら、供されて気付いたけど玄米おにぎり付だ。そういえば、昨日岡山入りしてから麺尽くしな毎日。昨日のお昼(うどん)→夜(うどん)→今日の朝食(サラダパスタ)→お昼(うどん)→おやつ(そーめん)てな具合で、麺が猛烈好きなのか、ダイエットをしているのかという食生活だ。ちなみに、この後も麺生活は続くのであった。個人的にはうどんというよりも、蕎麦派なので蕎麦を食したいんだけど、西日本なのか蕎麦屋が全然見当たらず!



こんな家(カフェ)があったり。本村地区はカフェとか沢山あって、休憩どころには困らないほど。



これは屋号だそうで、あちこちの本村地区のあちこちで見かけた。屋号とは地元の人が呼び合うニックネームのようなものとのこと。これ、「どざえもん」と読んじゃったよ(失礼しました)。



レトロな感じで渋い本村港。トイレに寄ったら、日陰で涼んでいたおばちゃんが『ここは、なんも来んよ~』と。1日に朝・昼・夕と5便だけの港であった。


 
きんざの予約時間までぷらぷら。こちらは極楽寺だ。あまり手入れされていないみたいだけど、ミカンはきちんと供えられていた。更に奥にあるお堂の日陰で少し休ませてもらったので、珍しく賽銭を入れておいた。



きんざ隣の碁会所を覗く。ここの意味は解説を聞かないと分からないよ・・・。


きんざにて理解に苦しむアートと対峙すること15分。
う~ん、何をどう解釈すれば良いのか???深く考えずに、感じるままに見れば良いのかな。



とりあえず、本村地区を跡にベネッセ地区は地中美術館に行くことにした。直島ダム経由のルートだ。途中見つけた看板。ダムの片隅に看板ですか。ちょうど、事業仕分けで頭に残っていたので、パチリと撮ってみた。



こんなところを気持ちよく自転車をこいでいく。


 
途中においてある巨大ゴミ箱アート。遠慮なくず~っと撮影に興じるカップルが居座るので、サイズ比較がてらパシャッと撮影。



島のあちこちで見かけた石仏。どうやら88箇所に点在しているとのこと。ていうか、途中で道を誤って海沿いでなく、山沿いの道を走ることとなり、その勾配より自転車を降りて押しているところ。この道、かなりきっついよ・・・。昨日の無段変速自転車による疲労もあって、腿がパンパンだ。


 
途中見かけたバス停。ここにバスって絶対に来ないよね???ってか、今すぐ来て自転車ごと乗せて欲しい気分であった。


 
あ、あそこに見えるのは噂の黄色いかぼちゃ。あと、少しだ!


  
急な下り坂をフルブレーキで降りてやってきたパークビーチエリアの黄色いかぼちゃ。苦労してきたので、パチパチパチと撮りまくっておいた。小さな突起が、子供かぼちゃのようでもあった。


 
その他の作品も流しで見ておく。


 
外から中から体験する作品。中に誰か居れば面白い絵になるみたいなんだけど・・・。



ゆらゆら風に揺れるかのようなプレート、海に浮かぶマンタを連想した。


 
これはなんだろうな・・・。



漫画ガンツに出てくる玉のようだ。


  
船アートも太陽と青空を絡めてパチリパチリ。夕日に照らされているところも見たいところだ。



穴より三角の島(大槌(おおづち)島というらしい)を覗いてみる。島の南西に位置する島で、あちこちから三角形のおにぎりのような姿を見ることができる。



墜落した円盤のような船首を利用した作品。


 
もう少し時期を遅らせれば、見ることができた李禹煥(リー・ウーファン)美術館。


 
とりあえず、地中美術館のチケットセンターへと。



ん?ここを歩いていくの???チケットセンターと美術館は別の建物となっていて、この花道が地中美術館までの道のりとのこと。この道は地中の庭というエリアでモネの庭園を模しているとのこと。沢山の花が咲いていて、維持が大変だろうなぁというのが最初の感想。


 
そうこう辿りついた地中美術館。チケットを切られたら撮影禁止とのことなので、ここで撮影は一端中断だ。


んで、特に期待もなく訪れた安藤忠雄建築の地中美術館であるが、結論から言うとものすごく良かった。館内を歩き回って、その洗練された雰囲気が神殿というか修道院というかコンサートホールというか、ワクワクしてしまった。特にクロード・モネの「睡蓮」の部屋に踏み入れたときには、絵がドバーンと視界に飛び込んできて、ウン十億という絵はそっちのけで部屋のつくりの方に関心が向いてしまった。

ジェームズ・タレルもまた良し。予備知識なく訪れて、グループ鑑賞する隣の人が、ズンズンと前に踏み込んだときには「え!?入って良いの!?」と驚いてしまった。まるで、映画のスクリーンに飛び込むかのような感じで作品に触れることができる。作品と作品をつなぐ途中の回廊もこれまた良く、ワクワク感がつのる。ウォルター・デ・マリアもまた良し。圧倒的な重厚感による存在感と部屋の中を反響する靴の音・・・。



18時閉館の美術館を追い出されて、チケットセンターにて1時間、ナイトプログラムの開始を待つ(暇じゃ・・・)。


夕暮れを利用したジェームズ・タレルによるナイトプログラム。
40分程も、じ~っとして変化を楽しむ作品!


 
直島での当初目的であった「I Love 湯」の夜間撮影。ナイトプログラムを終えて、急ぎやってきて撮影に興じる。ここは昼間よりも、夜だな。


  
狭い路地に銭湯を構えているので、どうにも全景を撮ることができない。程ほどに切り上げて、時間も迫っているのでダッシュ入湯!銭湯の方は、中に巨大な象が鎮座していたりと、ぶっとんだ内装になっている。まぁ外装からしてぶっ飛んでいるんだけど。


こういったアート作品を施行する業者は大変だとのこと。機能的に理解に苦しむ図面が引かれた設計図。設計図に従うと、ボロボロのトタンを取り付けたりする。また、その取り付け位置が微妙にずれていると指摘を受けたりするそうだ。この銭湯を言っている訳じゃないけど、何かの記事で読んだ話。うん、うん、なんだか非常に面白い話で、設計者と施行業者のやりとりがされている建築途中も思わず見学してしまいたくなる。『すみませ~ん、このトタンはここに取り付ければ良いですか?』と施行業者が聞くと『図面を良く見てくれないかな、もうちょっと右なんだよね』と設計者が言っていたりして。



ダッシュ入湯を終えて宮浦港にやってきたけど、赤いかぼちゃの存在は確認できず(ライトアップ終了?)。かわりのオブジェに明かりが灯っていた。



「I Love 湯」の横はLittle Plumにて晩御飯を頂く。久々に麺類以外の食事であった。ってか、メニューに蕎麦はもとより、うどんもなかった(残念)。



「I Love 湯」での壁画はポピュラーな富士山ではなく、尼さんの絵であった。I Love 湯では富士山は見られないけど、こちらのLittle Plumからは富士山が望めるという。ここにあったのかぁ!


さて、朝から進水式でドーパミンドパドパの興奮であったのだが、直島でも家プロジェクトを楽しんで、安藤建築にワクワク。ガツンと濃密な一日を過ごしてしまった。特に直島のほうは、最初「企業の押し売りみたいなものなのかな」と思っていたのだけれど、そんなこともなく、かつアートの素人でも充分に楽しむことができる場所であった。いやぁ、マジで楽しい1日であった、企画した俺に乾杯。